内視鏡下調節性胃内バルーン留置術(バルーン治療)を受けることにしました。
バルーン治療というのは、内視鏡(胃カメラ)を使って、胃袋の中に400-500ml程度に膨らませたバルーン(風船)を入れるもので、肥満症治療を目的としたものです。
実はこのバルーン治療、当院で手術と並ぶ肥満症治療の選択肢として、患者さんに提供していこうと考えているのですが、まずは自分自身が受けてみよう、ということなのです。
僕の仕事は患者さんに肥満の外科手術を行うことですので、自分が肥満の手術を受けるというのは・・・実は手術を受けること自体、人生で初めてなのですが…不思議な気持ちです。
僕は肥満症の外科治療に長い間、携わっているのですが、確かに手術はとても効果のある治療(適応のある高度肥満症の患者さんに、100%自信を持ってオススメ出来ます!)ですが、その一方で、肥満を何とかしないとヤバい、と分かってはいるけれども、やはり体にメスを入れるのはちょっと・・・、という方がたくさんおられることも事実です。
しかしながら、一般的な食事制限や運動、栄養カウンセリングなどの生活習慣改善プログラムではなかなか効果が得られない(続かない、がより正確でしょうか)・・・。
そういう方に対して、内科治療と外科治療の中間くらいの位置付けの治療が必要ではないか、そう感じていました。
僕自身の問題もあります。
僕は肥満度としては軽度肥満(BMI 27)ですが、実はひどい脂肪肝なのです。
脂肪肝(フォアグラですかね)は放っておくと、肝炎(脂肪性肝炎、NASH(ナッシュ))から肝硬変や肝臓がんに至ることもある深刻な状態です。
脂肪肝の怖いところは自覚症状に乏しいことです。
実際、僕自身、普通に生活し、仕事もしていますし、何でも美味しく食べています(少し疲れやすい、と感じることはあります)。
ただ、脂肪肝で何かしらの自覚症状が出た時には、肝機能が相当悪化していることが多いのです。
僕は現在43歳(当時)。
職業人としてまだまだ働かないといけませんし、支えなければならない家族もいます。
そのために健康になりたいというのは、手術を求めて当院を受診される患者さんと全く同じです。
これから治療に望みますが、僕はバルーン治療についての医学的専門知識を(かなり豊富に)有しており、同時にその治療の経験者にもなるわけですから、そういう極めてレアな立場だからこそ発信出来る情報というものがあるのではないか、と思います。
バルーンを実際に入れた感想、良かったことも悪かったことも含めて、ありのままに書いてみようと思っています。
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